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2020.01.07

便秘のおはなし その6

機能性便秘について

 

生活習慣やストレス、加齢などの影響で、

腸管の働きが乱れることによって起きる

便秘を機能性便秘と呼びます。

これらは、腸管の動きが悪くなって

起きる便秘を「弛緩(しかん)性便秘」、

腸管は動いているのに、その動きが

乱れることで起きる「痙攣(けいれん)性

便秘」、便意を催すための直腸の

センサーの機能が低下するために起きる

「直腸性便秘」とに分類されています。

たとえて言うと、歯磨きペーストを

チューブから出すときに、端っこから

押し出すとスムーズにペーストが

出てきますが、このときの押し出す力が

弱いのが「弛緩性便秘」で、チューブの

あちこちを押してしまって、ペーストを

残すことなくきれいに出せない状態が

「痙攣性便秘」です。

直腸性便秘とは、便意を習慣的にがまん

していると、直腸内の便が常に

直腸を刺激するため、直腸のセンサーの

感度が落ちてしまい、直腸に便が入ってきても

便意を感じなくなってしまって便秘になるものです。

 

ただし、上記の便秘分類は古くから

わが国で使用されているもので、

国際的にはほとんど用いられないものです。

では、海外ではどのような分類が使用

されているのでしょうか?

海外では大腸(結腸)を通過する時間の異常と

直腸肛門機能の異常とに注目して、

「結腸通過時間遅延型」

「結腸通過時間正常型」

「便排出障害型」

とに分類することがスタンダードになっています。

この分類で問題となるのは、わが国では結腸通過時間の

測定検査法(マーカー法やシンチグラフィー)が保険では

検査ができないことや、直腸肛門機能の検査法が

普及していないことなどから実際に使用するのが困難で

あることです。

 

わが国でもこのグローバルスタンダードに

追いつけることが望まれます。

  便秘のおはなし その7に続く

【過去の便秘の記事はこちら】

便秘のおはなし その5

便秘のおはなし その4

便秘のおはなし その3

便秘のおはなし その2

便秘のおはなし その1