医院名:美馬内科クリニック 住所:〒770-8012 徳島県徳島市大原町千代ケ丸127−1 電話番号:088-677-5171

痔と大腸の関係(血便検査)

大腸がんを見逃さないために

大腸がんを見逃さないために大腸がんは、初期にはほとんど自覚症状が現れず、下痢・便秘、腹部の張り、便が細くなった、血便が出るなどの症状に気づいた時には、すでに進行してしまっている恐れがあります。そのため、大腸がんを予防するためには、年に1回、大腸カメラ検査を受けるなどの定期検診が欠かせないのですが、少しでも異変に気づいた時に、すぐにクリニックへ相談することも大切です。

大腸がんの症状のうち、血便(血が混じった便)は、ご本人が気づきやすい「異変」の1つです。しかし、大腸がん以外にも排便時に出血をともなう疾患があり、それと勘違いして、せっかくの大腸がん発見の機会を逃してしまう場合もあります。その結果、大腸がんが進行してしまい、取り返しのつかない事態を招くこともあります。

大腸がんの症状を痔と勘違いすることも

排便時に出血をともなう代表的な疾患として、「痔」が挙げられます。大腸がんの症状として現れている血便を、痔のせいだと勘違いするケースも少なくありません。こうしたケースが少しでもなくなるように、「痔と大腸がんの出血の違い」についてご説明します。

出血をともなう痔

痔にはいくつかの種類がありますが、出血をともなうものは大きく「痔核(いぼ痔)」と「切れ痔(裂肛)」の2つです。それぞれ、主な症状として排便時の出血が挙げられ、出血の仕方などに特徴がありますので、そちらも併せてご説明します。

いぼ痔(痔核)

肛門に過度な負担がかかることで起こる痔で、うっ血や腫れが起こったり、いぼができたりします。いぼができる位置によって、「内痔核」と「外痔核」に分けられます。主な症状は排便時の出血です。

出血の特徴

いぼ痔のうち、内痔核の「排便時の出血」は、濁りのない鮮やかな色をしていて、肛門から少量の血が垂れる程度の場合もあれば、便器が血で染まるほどの大量の血が出る場合もあります。

切れ痔(裂肛)

便秘などの便通異常が原因で、歯状線(しじょうせん)より下にある肛門上皮に裂け傷ができた状態です。主な症状は排便時の痛みと出血です。

出血の特徴

いぼ痔と同様に、「排便時の出血」は濁りのない鮮やかな色をしていますが、大量に出血することはあまりありません。ただし、排便時に痛みを感じます。

大腸がんの出血

痔の出血の特徴は上記でご説明した通りですが、ここでは大腸がんの排便時の出血の特徴をご説明します。

大腸がんの出血の特徴

最初は出血量が少なく、気づかないこともあるほどです。しかし、徐々に便のまわりに血が付着するようになり、少量の血が持続的に出るのが特徴です。大腸がんのうち、「直腸がん」は肛門に近いため、血便がよくみられます。「結腸がん」は血が便と混ざりやすいため、黒色の便がよくみられます。

便潜血検査と大腸カメラ検査について

大腸がん検診として、「便潜血検査」が広く行われています。しかし便潜血検査は、便に含まれる微量な血液を調べる検査なので、陽性=大腸がんというわけではなく、あくまで「便に血が混じっている」ということで、いぼ痔や切れ痔が原因で陽性となることもあります。反対に、陰性だったからといって、あくまで「便に血が混じっていない」ということで、早期の大腸がんが見逃されている可能性もあります。

つまり便潜血検査は、「大腸がんがあっても、陰性になる可能性」があり、「大腸がんがなくても、痔が原因で陽性になる可能性」がある検査ということです。そのため、大腸がんを早期に発見して、しっかりと予防するためには、便潜血検査が陽性だった場合はもちろん、陰性だった場合でも大腸カメラ検査は欠かせないといえます。

当クリニックでは、より確実に大腸がんを早期発見し、予防していただくために、「日本消化器内視鏡学会専門医」が精度の高い大腸カメラ検査を行っています。便潜血検査が陰性だったからといって安心せずに、40歳を過ぎたら、年に1回は大腸カメラ検査を受けられることをおすすめします。

よくある質問

便潜血検査で「血が混じっている」と指摘されました。切れ痔が原因でしょうか?

切れ痔が原因で血が混じっている可能性もありますが、大腸がんの出血によるものである可能性も否定できません。異常を指摘された場合には、できるだけお早めに大腸カメラ検査を受けるようにしてください。

便潜血検査は「1回法」ではなく、「2回法」を受けた方がいいと聞いたのですが?

便潜血検査には、「1回法」と「2回法」があり、検査時に毎回出血するとは限らないため、複数回受けた方が精度は高くなります。なので、便潜血検査を受けるなら2回法がおすすめです。ただし、それでも大腸がんなどの重篤な疾患が見逃される可能性は否定できませんので、より高い確率で大腸がんを早期発見したいということでしたら、大腸カメラ検査を受けられることをおすすめします。

便潜血検査が陰性だった場合でも、大腸カメラ検査は受けた方がいいですか?

便潜血検査が1回でも陽性だった方はもちろん、陰性だった方も、排便異常などの症状があったり、大腸がんの家族歴があったりする方は、一度大腸カメラ検査を受けられることをおすすめします。

便潜血検査が陽性でしたが、もう1回受けたら陰性でした。大腸カメラ検査は必要ありませんよね?

集団検診などで受けた1回目の便潜血検査が陽性だったが、もう1回受けたら陰性だった。このような場合でも、大腸がんの見逃しに繋がりますので、必ず大腸カメラ検査を受けられるようにしてください。

便潜血検査と比べて、大腸カメラ検査は負担が大きそうで不安です…

当クリニックでは、適量の鎮静剤と鎮痛剤の使用や、検査後の腹部の張りを抑える炭酸ガス送気装置の使用などにより、苦痛の少ない大腸カメラ検査を実施しています。過度に不安にならずに、お気軽にご連絡ください。

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