当院の大腸内視鏡検査の特徴
苦痛の少ない大腸カメラ検査のために
近年、大腸がんの死亡率が増加しており、その早期発見の重要性が指摘されています。早期発見に有用なのが大腸内視鏡検査ですが、従来の挿入方法では、空気で膨らんだ腸管に内視鏡を押し進めることで腸が引き伸ばされて痛みを感じることが多く見られました。検査時に苦痛をともなうことから、検査を受けることを躊躇される方も多かったのではないでしょうか。胃カメラと同様に、大腸内視鏡検査においても、その苦痛を和らげることができる方法があります。
適量の鎮静剤と鎮痛剤の使用
適量の鎮静剤と鎮痛剤を使用することで、検査時の苦痛を和らげることが可能になりました。苦痛により筋肉の緊張が増すことで、さらに苦痛がひどくなるという悪循環に陥ることが回避できます。当院では、患者さんの年齢、性別、健康状態、そのほかを考慮した上で適量の薬剤を使用することで、安全に検査を受けていただくことができます。注:鎮静剤および鎮痛剤を使用した場合、事故防止のため検査後の自動車、バイク、自転車の運転はお控えください。また、検査後1時間ほどベッド上で安静にお休みになっていただきます。
検査後のおなかの張りを抑える炭酸ガス送気装置
大腸粘膜を隅々まで観察する必要性から、検査中は大腸のひだが伸びるよう通常は空気を送り込んで腸を膨らませています。空気は腸管から吸収されにくいので、検査が終わってもおなかの張りがなかなか取れず、苦しさや不快感の原因となっていました。炭酸ガスは腸管からの吸収が空気に比べておよそ200倍速いため、送気装置に使用することで検査後の苦しさや不快感を和らげることができます。
安全なプライベート空間での前処置
検査を受ける前や受けた後で快適にお過ごしいただけるよう、トイレ付きの個室をご用意しました。完全なプライベート空間のため、女性の方でも安心して検査を受けていただけます。
日帰り手術に対応
検査中にポリープが発見されて切除が必要と判断した場合、ご本人の同意の下でその場で切除する、日帰り手術に対応しています。大腸ポリープの一部には癌化するものもあります。その場で切除することで、後日治療のための再検査を受けていただく煩わしさがありません。出血のリスクが高いものや、サイズが大きいなどの理由で当院で切除するのが適当でないと判断した場合は、徳島赤十字病院をはじめとする、関連病院へ紹介させていただくことがあります。
大腸内視鏡検査の流れ
事前受診
現在、服用している薬や既往症がある場合には、必ずご相談ください。普段、便秘気味の方には数日前から下剤を服用していただく場合もございます。
検査実施数日前のお食事に関しての注意事項などがございますのでご説明いたします。
検査前日
前日と検査当日の朝食は消化の良いものを食べていただきます。昼食と夕食は当院でお渡しする検査食(実費で¥900円)を食べていただきます。
水分は水やお茶、スポーツドリンクなど透明なものをできるだけ多めにとります。夕食は、夜7時までに、遅くとも夜9時までに済ませてください。就寝前、午後10時頃になったら水薬を飲みます。
検査当日の朝
喉が渇いたり、空腹感があれば水やお茶、スポーツドリンクなど透明なものを飲んでください。糖尿病のお薬など特定のもの以外は常用薬の服用も可能です。
受付終了後、計1.5リットル前後の腸管洗浄液を飲み始めます。当院では、ゆったりと前処置を受けていただけるようトイレ付きの個室を準備しております。腸管洗浄液は2-2.5時間程度かけ、数回に分けて飲んでいきます。
検査
便の状態が透明になって、前処置が終了してから検査を開始いたします。検査に要する時間は、腸の長さや形状によって個人差がありますが、30分前後が目安です。もし、腸の粘膜に異常な発赤や盛り上がりといったがんを疑う病変やポリープが見つかったら、精密診断をした上で、病理組織やポリープをその場で採取します。検査後は20~30分程度、休憩していただきます。
結果のご説明
医師が検査時に撮影した画像をお示ししながら、検査結果のご説明をいたします。がんの可能性やそのほかの消化器疾患について、幅広い視点でご説明いたします。
病変組織を採取した場合は、病理診断の結果がおよそ10日程で明らかになりますので、後日再来院のうえで結果のご説明となります。
大腸ポリープ切除について
大腸カメラ検査時に、大腸ポリープを発見した場合には、大きさにもよりますが、そのまま「大腸ポリープ切除」を行うことも可能です。大腸ポリープ切除にかかる時間は10~20分程度で、日帰りで受けていただけます。
大腸ポリープの一部は、大腸がんに進展するものもあります。しかし、定期的に大腸カメラ検査を受けて、疑わしい大腸ポリープを切除すれば、大腸がんは高い確率で予防することができます。
大腸ポリープ・早期大腸がんを発見した時には
大腸カメラ検査時に、大腸ポリープおよび早期大腸がんが見つかった場合には、種類・大きさによっても異なりますが、切除可能なものにつきましては、その場で内視鏡的切除を行います。クリニックによっては、他院を紹介して切除してもらったり、その場では病理組織検査のみを行い、後日、あらためて切除したりする場合もあるようですが、当クリニックでは、患者様の負担を軽減するためにも、対応可能なものについては、検査と同時に切除するようにしています。
大腸内視鏡検査でわかる疾患
大腸ポリープ
大腸に出来る腫瘍です。大きくなると癌化することが多くなります。小さいポリープでは自覚症状はありませんが、大きくなると出血することがあります。ポリープのなかでも、がん化する恐れのある5mm以上の腺腫は内視鏡的に切除することをお勧めいたします。
大腸炎
様々な要因で大腸に炎症を起こします。下痢、腹痛、下血等の症状があります。 軽度の炎症は内服・食事療法で治りますが、重度の炎症は入院加療が必要な場合もあります。
潰瘍性大腸炎、クローン病など
腹痛、下痢、粘血便などの症状があります。 現在まだ原因不明の難治性腸疾患で最近増加
傾向にあります。
痔核
肛門に痛みや腫れ、痒みなどを起こします。出血や膿(うみ)が出る場合もあります。坐薬等で治療します。
大腸内視鏡検査・手術料金
検査内容 | 3割負担として計算(円) |
---|---|
大腸内視鏡(※1) | 約6,300~6,700 |
+病理組織検査(※2) | +約4,000~11,000 |
+ポリープ切除 | +約18,000 |
+鎮静剤の使用 | +40 |
総額の目安(※3) | 約6,300~40,000 |
(※1)内視鏡検査のみの費用となります。別途初診料などが追加されます。
(※2)採取する臓器の数により変動いたします。
(※3)初再診料などを含めたおおよその費用です。
大腸内視鏡検査よくあるご質問
大腸カメラ検査は当日受けられますか?
大腸カメラ検査を受けていただくためには、事前診察が必要となります。
検査前の絶食期間を教えてください
検査前日の夕食は、遅くても夜9時までにお済ませください。できるだけ消化に良いものを食べるようにしてください。お水やスポーツドリンクなどの色がついていない飲み物を、できるだけたくさん飲むようにしてください。就寝前、午前10時ごろに水薬を飲んでいただきます。
大腸カメラ検査はつらくないですか?
一般的にそのようなイメージが強いのですが、当クリニックでは、適量の鎮静剤・鎮痛剤を使用したり、生体吸収性に優れている炭酸ガス送気装置で検査後の苦痛・不快感を軽減したりするなどして、苦痛の少ない検査を実施しています。
検査前はお薬を飲まない方がいいのでしょうか?
服用中のお薬がある場合には、必ず事前に医師へお伝えください。お薬の種類によっては、検査前でも服用が必要なものもありますので、自己判断せずに医師の指示に従うようにしてください。
糖尿病のお薬を飲んでいるのですが…検査を受けても大丈夫ですか?
糖尿病のお薬を飲んでおられる方は、絶食により低血糖となる恐れがありますので、検査当日の服用はお控えください。インスリン注射をされている方は、一度、かかりつけ医にご相談ください。
検査時間はどのくらいですか?
患者様によっても異なりますが、観察時間そのものは30分前後が目安となります。
検査前に下剤を飲むのはなぜですか?
下剤により、腸の中を空っぽにして、観察しやすくするためにです。下剤を服用する前処置は、クリニック内でも行っていただけます。当クリニックでは、快適に前処置していただくために、トイレ付きの前処置室(個室)をご用意しています。
大腸ポリープを切除するのはなぜですか?
大腸ポリープの一部は、大腸がんに発展するものがあるためです。疑わしい大腸ポリープを切除することで、高い確率で大腸がんを予防することが可能となります。
大腸ポリープ切除は検査と同時に行えますか?
大腸ポリープの種類・大きさにもよりますが、切除可能なものにつきましては、その場で内視鏡的切除を行います。