2023年3月3日より、高濃度ビタミンCの点滴をはじめます。
今回からビタミンCについてご紹介いたします。
ビタミンCについては、よくご存じと思います。
では、ビタミンCってどのような効果があるのか、すぐにその効果をいくつか挙げるのは少々難しいのではないかと思います。
そもそもビタミンとは、私たち自身が体内で作ることができない、もしくは、ほとんど作ることができない物質で、からだの機能を調節したり、からだの中で発生する、いろいろな化学反応を助ける働きがあります。
ビタミンCの効果は、以下の通りです。
1.抗酸化作用
脂質中のフリーラジカルを消失させるために必要なビタミンEの再生に関わることで、脂質の連鎖的酸化を阻止します。
また、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素など、細胞を攻撃する活性酸素を消去することで体の酸化を防ぎます。
2.抗動脈硬化作用
動脈硬化の発症や進行には活性酸素の関わりが大きいとされています。
ビタミンCの抗酸化作用により、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を防ぐことで動脈硬化を予防します。
3.コラーゲンの生成(美肌効果)
コラーゲンは、皮膚・血管・じん帯・腱・軟骨などを構成する繊維状のタンパク質で、体内での生成にはビタミンC、ビタミンA、鉄などが関与しています。
このため、ビタミンCが不足すると疲れやすい、シワができやすい、傷が治りにくい、毛細血管がやぶれやすい、などの症状が見られます。
4.免疫力の向上
ウイルスや細菌などの病原体を排除するために働く白血球の機能を強化します。
米国家庭医学会(AAFP)の2012年のガイドラインでは、ビタミンCの摂取が小児の風邪予防に効果ありと発表しており、そのほかの研究でも風邪症状の罹病期間を短縮したとするものもあります。
5.鉄の吸収の促進
消化管の中で植物性の食品に含まれる3価の鉄イオンを2価のものに変換して吸収を促します。
6.シトクロムP450の活性化
シトクロムP450は肝臓において解毒を担う酵素として知られており、その他にはコレステロールの合成に関わっています。
ビタミンCはその働きを活性化すると言われています。
上記の効果を背景として、
疲労回復効果
動脈硬化の予防
美肌効果
抗酸化作用(アンチエイジング)
抗ストレス
免疫力の向上
歯周病の予防・改善
がん予防
などの効果が期待されます。
次回はビタミンCの歴史についてです。